ぼくちんの極秘アイデア倉庫

ぼくちん(粟倉竣輔)の考えたアイデアなどを書きます

高性能なAI実現に向けた「知識・知能の理論」の提案

この記事では高性能なAIを開発する上で役に立つと思われる、「知識・知能の理論」を提案したいと思います。

この記事では知識というものの本質的な姿を考察し、定義することを試みます。

優れた知能というのは優れた知識表現を獲得しその知識表現を基に優れた思考をしたり行動をしたりすることだと思います。
優れた知識表現を得るには優れた抽象化能力が必要で、その能力によって抽象度が高く整頓された知識表現を得る必要があります。
この記事では抽象度とは何か、整頓とは何かを説明し、知識というものを定義することを試みます。

知識の整頓の定義にはエントロピーという概念が関係しています。
クロード・シャノン情報理論では情報という概念を熱力学の概念であり乱雑さの度合いであるエントロピーの概念を使って定義しました。
物質的な乱雑さの指標である熱力学のエントロピーの概念が情報の定義にもなるということは驚くべきことでした。
優れた知識を持った状態とは頭の中で情報が高度に整頓されている状態であり、乱雑さが低い状態という事でエントロピーの概念と関わってきます。

物質的なことにも情報的なことにも幅広く適用できるエントロピーの概念は宇宙において本質的で重要な概念であり、
知識というものをエントロピーを使って定義する事は知識の本質を表す上で説得力のあるものになるでしょう。

私が知識の本質を考えようと思ったきっかけとなった苫米地英人博士の著書の一文を紹介します。

 

「一つの数学理論を作ったならば、理論はどんどん整理されながら読み続けられていくことで存在するわけです。つまり、情報空間はエントロピーを極小化させる状態へと向かうわけです。」苫米地英人、宇宙を語る』著:苫米地英人 より

 

学術理論というのは統一され整頓され発展してきた歴史があります。
情報、知識の発展というのは何かしらの観点でエントロピーが減少していく過程として説明できると直観しました。
エントロピーの減少という現象は宇宙で起こっている現象の歴史、生命の進化の歴史、人間の脳内での知識の発展の歴史に一貫して起こっている現象と言えます。
知識の発展も生命の進化による生命の高度化も宇宙に星ができ地球が生まれたことも、エントロピーの減少という単一の現象なのです。
地球ができることと生命の進化は物理的な現象ですが、人間の脳内で知識が発展する情報的な現象もエントロピーの減少という単一の現象なのです。

知識というのはそのような観点から解釈することができ、定義することができます。
これはまるでガリレオが発見した物体の落下運動の法則とケプラーが発見した天体の公転運動が万有引力という単一の力で起こっていることをニュートンが発見したような驚きに似ています。

生命体はエントロピーを減少させる存在である事はシュレーディンガーの『生命とは何か』で指摘されています。
そして生命の進化もエントロピーの減少である事が理解できます。
エントロピーが低い状態というのは分子の分布パターンにマクロな構造がある事と言えます。
単細胞生物から多細胞生物に進化した時、心臓や脳などの構造が新たに生じます。
「全体は部分の総和以上の何かである」というように、臓器は単なる細胞の集まりでなく、マクロな形や機能を持った構造があります。
分子の分布におけるエントロピーが低い状態とは分布に偏りがあることでありますが、それは分子の分布パターンに何かしらの構造が見て取れるという事です。

構造がそこにあるという状態は抽象度が高い状態であると言えます。
一般的に抽象化とは「物事から具体を捨象し共通の構造を抽出する事」と説明されますがつまり「物事から新たな構造を見出す事」が重要です。既知の構造を対象から見出す事も有意義ですが、まず先に今まで知らなかった構造を見出すことが必要になります。そしてその構造は既知の構造となります。

ポアンカレは「数学とは異なるものを同じものとして認識する事」だと述べましたが、これは抽象化をしているという事で「あるものから新しい構造を見出す事」だと言えます。
数学に限らず絵画や小説を鑑賞した時に「これはこういう見方もできる」と新しい構造に気づくことは人間の抽象化能力の産物です。

分子の分布パターンに構造があるという事は、分子の分布パターンを抽象度の高い視点で見ていることになります。つまり分子の分布パターンに構造が存在する事は抽象度が高い状態だという事です。

苫米地博士の書籍や動画では抽象度という概念について多く述べられています。
抽象度という概念は重要です。
苫米地博士は分析哲学を研究されていて、「Levels of Abstraction」という概念を「抽象度」と訳しました。
それは以下の動画で詳しく知ることができます。

www.youtube.com

 

www.youtube.com


また抽象化とは「物事から新たな構造を見出す事」という事も苫米地博士が別の動画で言及されていました。(今その動画を見つけることができませんでした。)

 

エントロピーが減少していく事と抽象度が高くなっていく事は繋がっていることがお分かりになったかと思います。

人間の脳内で学術理論が発展していく事がエントロピーの減少であり抽象度が高くなる事であるとはどういう事でしょうか。
物理学の理論の発展を例に考えてみます。

物理理論ではガリレオが物体の落下運動の法則を発見し、ケプラーが天体の公転運動の法則を発見しました。それらはニュートンによって万有引力という単一の力の法則に統一されました。そしてニュートン力学とマクスウェルの電磁気学アインシュタイン相対性理論として統一されました。現在では相対性理論量子力学を統一する試みとして超ひも理論が提唱されています。

ニュートン力学ガリレオの落下運動の法則やケプラーの公転運動の法則より抽象度が高いと言えるのは、
物体や天体から万有引力という新しく共通の構造を見出したことにあります。また慣性の法則や作用反作用の法則などいくつかの基本的な法則を見出して、落下運動や公転運動以外の運動、例えば物体同士が衝突した場合の運動など幅広い運動現象をカバーできるようになりました。
つまりこれは宇宙に存在する幅広い現象から共通の構造(法則)を見出したということであり、「物事から新たな構造を見出す事」つまり抽象化を行ったという事であります。エントロピーが減少する事とは構造が生じることであり、構造が生じる事(見出される事)は抽象化される事です。ゆえにニュートン力学ガリレオの理論やケプラーの理論よりも抽象度が高い理論であると言えます。

相対性理論ニュートン力学電磁気学を統一したことも、超ひも理論相対性理論量子力学を統一する試みである事も前述したことと同じで、宇宙の現象から新たに共通の構造(法則)を見出す事です。そして新しい理論ほど以前の理論より幅広い現象から共通の構造(法則)を見出していて、以前の理論より抽象度が高くなっていると言えます。

宇宙に地球が発生した事や生命が進化する事のような物理的な現象がエントロピーが減少する事であり、物理理論が統一されていくという情報的な現象も同じくエントロピーが減少していく事である事がお分かりになるかと思います。

数学の発展を例にも考えてみます。
数という構造は、自然数、整数、有理数、実数、複素数というように拡張されてきました。
自然数という構造はリンゴなどの離散的な物の個数を表現でき、四則演算をすることができます。
リンゴの集まりや人の集まりや動物の集まりなどは自然数という共通の構造を通して理解することができます。
それぞれの色や形などの具体は捨象して自然数という構造として見ることができこれは抽象化と言えます。
もともと幅広く異なるもの同士に自然数という共通の性質、構造を見出したことは、脳内の知識状態に、構造が無かった状態から構造がある状態になったという事で知識のエントロピーが減少したと言えます。

さらに自然数から複素数まで拡張されていく段階で、数にゼロや負の数の概念、離散的でなく連続的な構造をもった数を見出すことによって自然数では扱えなかったもっと幅広い物事に適用できるようになりました。
数の構造が拡張されることによってより幅広い物事にその構造が存在する事が見出されました。
ゆえに自然数から複素数に拡張される段階で数という構造は徐々に抽象度が高くなっていると言えます。

また数とその演算には単位元やゼロ元、逆元などの構造がありその構造は結び目のある紐同士の結合という操作や図形の回転や反転という操作にも見出される構造です。こういう事の分野は群論というものだと思いますが、言いたい事は数の演算に存在する構造は紐同士の結合などの現象にも存在する構造であり(トポロジーという分野)、このような構造を見出したことによって、数以外の幅広い存在にもそのような構造が存在するという事であり、これはエントロピーの減少であり抽象化であると言えます。

AIの手法においても、高度なAIほど抽象度が高いという事が言えます。
生物の視覚の仕組みを模倣した、畳み込みニューラルネットワーク(以下CNN)というAIを例に考えてみます。
CNNはディープラーニングというAIの手法の一種です。ディープラーニングは生物の脳細胞のニューロンのネットワークを模倣したAIの手法であるニューラルネットワークの層の数を多くしたディープニューラルネットワークを使用するAI手法です。
CNNは2012年の画像認識コンテストで他のAI手法を遥かに凌ぐ性能を発揮して優勝した高度なAIです。

CNNはニューロンの層が複数積み重なっている構造をしており、例えば人間の顔の画像をどのように捉えているかと言うと、
低階層から高階層に画像情報(ピクセルの集まり)が流れるにつれ、ピクセルの集まりから線を見出し、その次の階層では線の集まりから目や口や鼻という画像パターンの構造を見出し、その次の階層では各顔のパーツの集まりから顔という構造を見出します。

顔の画像は単なるピクセルの集まりでありますが、そこに線という構造の集まりという新しい構造を見出すことは単なるピクセルの集まりという構造の無い状態からマクロな構造が生じることでありそれはエントロピーの減少であり抽象化されたということです。
さらに顔の画像は線の集まりであるという認識から目や鼻や口という新しい構造を見出し、さらに顔という構造を見出すことは、徐々に新しい構造を見出す事であり、徐々にエントロピーが減少し徐々に抽象度が高い知識状態になるという事です。
つまりCNNという仕組みはかなり画像を抽象度高くするものだと言えます。
そうする事で知識状態は高度になり画像認識において高い性能を発揮します。

知識状態が高度になっていくことは宇宙空間で起こっているエントロピーの減少という単一の現象として捉えることができるという事がお分かりになると思います。(宇宙全体ではエントロピーは増大していますが、局所的にエントロピーが減少している場所があり、その場所で新たな構造が生じ抽象度が上がります。)

ここまでの説明では抽象度、抽象化という言葉を詳しく説明しないまま使ってきました。
ここからはさらに抽象度、抽象化という概念を詳しく考察していきたいと思います。

物事から新しい構造を見出す事、新しい構造を作り出す事が抽象化であることは前述しましたが、
どのような構造を見出す、作り出すことが好ましい抽象化であるかを考えたり、
幅広い物事に共通して存在する構造を見出すことが好ましい抽象化と言えそうですが、そこをもっと詳しく考えたりします。
抽象度、抽象化という概念を詳しく解明する事で、AIやディープラーニングの手法に適用、実装できるレベルまでその数理モデルを考案する事を試みます。

ディープラーニングの研究界では抽象度、抽象化という概念があまり利用されていないように思えます。
知能とは抽象化能力によって抽象度の高い知識状態(知識表現)を獲得しそれを利用し思考や行動を行う事だとすれば、
ディープラーニングにも抽象度、抽象化という仕組みを意識して取り入れた方が良いと思います。

抽象度や抽象化する仕組みの好ましい数理モデルが考案できれば、自動的に知識が抽象化していくようなディープラーニングのAIを作ることが可能でしょう。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)というディープラーニングの手法はその手法が開発されるまでは画像における「線」などの特徴量を人間が手動で作っていましたが、CNNは「線」などの特徴量を自動的に学習して獲得することができるようになりました。そのことによって画像認識の性能が高くなりました。
将棋AIも同じような事が言えます。将棋の各駒の価値を手動で決めていた頃よりも機械学習によって自動で決める事をするようになって将棋AIは強くなりました。

1980年代のAIでは動物や犬などの概念がどちらが抽象度が高い概念であるかを人間が決めていました。
ゆえに情報の抽象度を自動的に上げることができるAIは性能の良いAIとなるでしょう。

性能の高いAIを作るには教師なし学習の方式が良いと思います。
AIが教師信号無しに自動的に学習していく教師なし学習が重要である事が唱えられています。
ある概念と別の概念がどちらが上位概念であるかを人間の手によって教師ラベルを付けるより、AI自身が自動的に発見していく事が性能を上げるうえで良い事だと思います。

ChatGPT(LLM)を作る上ではウェブ上などに大量に存在するテキストを読み込ませることで自動的に例えば「クロコダイル」と「アリゲーター」が近い概念だと学習します。
囲碁などのボードゲームを学習するAlphaZeroというAIはどういう一手が強い一手であるかを人間の教えによらず学習し、人間よりも強くなります。
(もちろん広い意味では、ChatGPTが取り込むテキストは人間によって書かれたものですし、囲碁においては勝った状態の局面をよりどころに学習していくという点では教師ありという事も出来ますが。)

画像認識AIであるIIC(Invariant Information Clustering)という手法は教師なし学習であり、損失関数に相互情報量を使う事で画像のデータセットクラスタリングします。この手法は教師ラベル無しにそれぞれのクラスの画像を分類します。
そのようにしてIICは高度に整頓された知識表現を得て、うろ覚えて申し訳ありませんが、その知識表現を基に教師ラベルありの教師あり学習でファインチューニングをする事でそれまでのCNN(畳み込みニューラルネットワーク)よりも精度の高い画像認識ができるようになりました。
(CNNは特徴量は自動で学習する物ですが、教師ラベルありの教師あり学習方式です。)
(もちろんIICもデータ同士の相互情報量を最大化するという事をよりどころにするという意味で相互情報量が教師と考えることができます。)

つまりデータセットの抽象度を上げていき抽象度の高い知識表現を獲得させるようなAIの設計は、データの抽象度を自動的に上げていく、データから抽象度の高い構造を人間による教師ラベル付け無しに自動的に発見していくような設計が良いと思います。
抽象度をよりどころ、目的関数としたAIの設計が良いと思うので、そのようにできる抽象度の定義、数式を上手く考える必要があります。

人間の脳も恐らく抽象度の高い構造を発見して、知識同士が整合的に整頓され関係づけられるとそれを良しと感じる(ドーパミンという報酬が得られる)ように出来ているのではないかと思います。

(しかしながら、AIが自動的に抽象度の高い知識表現を獲得した場合、それは人間には理解しがたい、受け入れがたいものになる可能性が高いでしょう。
 ですので完全なる教師なし学習はするべきではなく、人間らしく、食べ物を獲得するために知識の抽象度を上げて知能を上げるとか、利己的な遺伝子が自己を存続させるために他者の利益のために行動するようになったように、自己の遺伝子を存続させることを目的に脳の知識表現を抽象度高くさせるなどの、強化学習における「環境」の中で行動し学習するような方式が必要かと思います。それは人類と価値観をアライメントさせることを目的とする一つの案です。)

以前私はディープラーニングで抽象度を上げるように学習するには単純に損失関数をエントロピーの数式にすれば良いのではないかと考えていましたが、
ディープラーニングのAIの内部表現空間のデータ分布は性能の悪いものでも分布に大きな偏りがあるものもあるという事が分かりました。

全結合の3層ニューラルネットワークの3次元の内部表現空間のデータ分布。
学習させたデータセットはCIFAR-10。画像認識の正解率は約40%と性能が悪いもの。
3次元の各軸の大きさは0~1の値をとるシグモイド関数を使用したため1。
データの分布は空間中央の狭い範囲にぐちゃぐちゃに偏っている。


ですので単純にエントロピーを損失関数にしても性能の良いAIは作れないのではないかと思いました。
おそらく内部表現空間のエントロピーを下げると知識が抽象化するのではなく、逆で、
抽象化するとエントロピーが下がって見えるという事ではないかと思いました。

色々な種類の分子をぐちゃぐちゃに一か所に集めてもそれは整頓されているとは言えない、高度な構造が存在するとは言えない。
残酷な例えですが、生物をミキサーにかけて分子レベルにまで分解した物をギュっとかためてもそこに高度な構造はないという事です。
生物に存在する細胞や臓器の高度な構造が壊れてしまっているからです。たとえ分子の分布が生命が生きていた頃より狭い空間に偏ってもです。

つまりエントロピーが低い事と抽象度が高い事の主従関係は、抽象度が高い事が主でありエントロピーが低い事が従です。

エントロピーをそのままディープラーニングの損失関数にしてもそれは良くなく、
抽象度をディープラーニングの損失関数または何らかのAIのアーキテクチャ強化学習遺伝的アルゴリズムなど)の目的関数に上手く当てはめられるような数式として上手く定義することが必要です。

そのような抽象度、抽象化の定義を考えたいと思います。

それでは抽象度、抽象化について詳しく考察していきます。

物事を抽象度の度合いによる階層構造を作り知識表現を作るにしても、物事をどのような抽象構造で抽象化するかによって、得られる知識表現は良いものになるかナンセンスなものになるか変わってしまいます。

抽象度の度合いを基に概念を階層構造にして示すと、抽象度の高い概念は抽象度の低い概念の上位概念となり抽象度の低い概念は抽象度の高い概念の下位概念となります。
幾つかの顔の画像の上位概念は「顔」という構造です。顔の構造を持った画像やリンゴの画像はピクセルの集まりですのでそれらの上位概念は「ピクセルの集まり」となります。
となると前述したCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を例にした抽象度の説明には語弊がありました。

前述の説明では「ピクセルの集まりの構造を持つ画像」→「線の集まりの構造を持つ画像」→「目、口、鼻の構造を持つ画像」→「顔の構造を持つ画像」の順に抽象度が高くなるという説明をしましたが、
逆で、「顔の構造を持つ画像」→「目、口、鼻の構造を持つ画像」→「線の集まりの構造を持つ画像」→「ピクセル集まりの構造を持つ画像」の順に抽象度が高くなると言わなければなりません。

分析哲学では上位概念は下位概念より情報量が少ないと言います。柴犬やプードルという概念よりも犬という概念のほうが情報量が少ないと言えることは直観的にも正しいです。柴犬の小麦色の直毛の体毛やプードルのカールした体毛という具体的構造を犬という概念は持っていない、捨象している、そして犬という概念は柴犬やプードルに共通する構造を抽出したものであるからそう言えます。

それでは何故「ピクセルの集まり」より「顔という構造」を抽象度が高いと説明してしまったのかという事ですが、
それは顔という構造を抽象度の階層構造つまりは包摂半順序束という数学的モデルで捉える場合、
顔という構造は、色々な高度な抽象構造を持っていて、それはつまりそれらと密につながっている、密に関係を持っている、つまりは縁起説で言うと沢山の関係の結び目になっているからです。

そのような点で顔という概念は線の集まりという概念よりも重要度が高いのです。
関係の結び目の多さ、厚さが大きいという点で「ピクセルの集まり」<「顔」という序列関係をいう事ができます。
ピクセルの集まり」という構造はあまり多くの事を語れません。
「顔」には「左右対称」という構造、「2つの目、鼻、口の幾何学的な位置関係」などの構造があり、「ピクセルの集まり」はあまり「顔」を説明(記述)する上で重要な事が言えません。
そして「対称性」や「空間的な位置関係」という構造は「ピクセルの集まり」という情報宇宙の外の情報宇宙にも適用できる構造です。

各上位概念、各抽象構造の重要度の違いについて考えてみます。
「木」と「鉄」の上位概念は「物体」ということができますし「原子で構成された物」ということもできます。
「木」や「鉄」を「物体」として認識する場合、「木や鉄は物体であり物体とは手で触れることができるもので、投げたら落下する物である」というような説明になるでしょう。物体をどう定義するかによりますが、一般的なそのような定義だとすれば、そのような事しか言えず、「木」や「鉄」をそのようなものとして記述(解釈)することしか出来ません。

それでは「木」や「鉄」を「原子で構成された物」と抽象化した場合はどうでしょうか。
原子という概念は陽子、中性子、電子という構造を持ち、数学的に詳細な法則を持っています。
電磁気学ニュートン力学量子力学、化学の法則、性質も持っていて、それらと関係が結びつきますし、
対称性、波などの概念、構造とも結びつきますから
引力や斥力の詳細で正確性の高い法則を表す数式に従う物として解像度の高い認識をすることができます。
「物体」という抽象化では「手で触れることができるもので、投げたら落下するものである」ということもより詳細に
手で触れたらどのように動くのか、どのような反応が起きるのか、投げたらどのような速さと軌道で落下するのかを解像度高く認識できます。

万有引力という抽象構造を発見したニュートン、原子という抽象構造を発見した科学者。
この宇宙というデータセットから今まで誰の脳内の知識表現に存在しなかった新たな抽象構造を見出しました。
その抽象構造は幅広いデータに共通する構造であり、またデータを曖昧にではなく詳細に説明できるものです。

ここまでの考察で考えられることは、
ピクセルの集まり」「物体」などの幅広いデータに適用できる抽象度の高い構造であってもデータを説明するには曖昧になってしまうと言える事。

抽象度が低すぎる構造はいくつかのデータをほぼそのまま詳細に記述できるが、幅広いデータに共通する構造ではない事。

「顔」「原子」などの構造は色々な抽象構造と関係していて、そのデータを詳細に記述(理解)できる事。
その色々な抽象構造が適用できる幅は広いとも狭いとも言えない。中間的な幅ということ。

以上の事から考察をさらに進めていきます。

この宇宙というデータセット、地球上の現象、生命体、人類が引き起こす現象のデータセットには初めから偏りが存在するのだと思います。
「データセット」は情報理論的に言うと「情報源」でしょう。
宇宙の物理法則はランダムではありません。
一見複雑すぎてランダムに見えるかもしれませんが、法則があります。
物質が突然消えたり現れたり、時間が突然戻ったり、空間が突然バラバラに並び変わったりしません。
その時点で宇宙現象はフリーダムではなく偏りがあると言えます。
宇宙の法則は非常に整合的にできており、乱雑とは程遠いものであり、エントロピーが非常に低いと言えます。
さらに地球上では高度な構造を持った生命体が存在しており、非常にエントロピーが低いと言えます。
物質がバラバラに分布しているわけではありません。

宇宙には非常に高度な法則、構造が存在しており、それは「物体の集まり」のような曖昧な概念では的確に言い表せません。
宇宙の現象が完全にランダムであれば、原子のような豊かな構造を持ったものはなく、法則のない物体がひしめき合っている事でしょう。
その場合なら「物体の集まり」としか言い表せません。それが最も的確で抽象的な記述となるでしょう。

もしくは完全に抽象度ゼロで、現象をそのまま記述することしか出来ないでしょう。
それは顔の画像をそのまま各座標のピクセルの値を無圧縮で「0,0,0,1,1,1,0,0, ... 0」というようにベタ書きするようなものです。
知能とは抽象化能力だとすれば、ベタ書きで物事を認識する事は知能が高いとは言えません。
そしてその場合膨大なメモリーが必要になります。

実際には宇宙には高度な構造がありそれは宇宙というデータセットに偏りがあることであり、エントロピーが低い事であります。
人間の脳が行っている事は、脳内で宇宙のデータセットの真の分布をできる限り過不足なく的確に表現できるような抽象構造を作り上げ、フィットさせる事(学習する事)だと思います。

データセットのパターン分布に偏りがあるという事はマクロな構造で圧縮して記述できるという事です。
これは情報理論で言う情報源に偏りがある事はエントロピーが低い事であり符号化して圧縮できるという事に似ています。

人間の脳のリソースは有限ですから、その意味でも圧縮してデータセットを理解することが必要です。

対称性や数や色々な数学的構造は互いに合成しやすいですし、宇宙、数学宇宙に普遍的に見出だされるため、
宇宙を圧縮して記述するのに非常に強力です。

データセットを上手く表現するには、各データをあまりにぼやけた記述をしてはいけないし、抽象度の低い構造でデータそのままに近い記述しようとしてもリソースが足りなくなってしまいますし、適用範囲の狭い抽象度の低い構造では他の色々なデータとの関係性が見出せません。
高い知能とはデータ同士の豊かな関係性(どのような性質を持った構造であるか)を持った知識表現を利用する事によって、様々な高度な思考、行動、判断ができることだと思います。
(リンゴをリンゴとしか認識できなく、人間を人間としか認識できなく、自然数という共通の構造をもつという関係が見出せないなら、この人間の集団には何個のリンゴが必要かという判断ができません。)

また、データをあまりにぼやけた記述をするという事とは、顔の画像で言えば「ピクセルの集まり」、木や鉄であれば「物体」という抽象的過ぎる記述です。
ピクセルの集まり」は他の構造と合成する事も難しいと思います。
構造同士を合成する事はデータを正確に導出する事に貢献します。ぼやけが少なくなるという事です。
合成しやすい構造同士の例としては「フルーツ」と「2個」のような感じで、画像であればフルーツが2つある画像が導出できることでしょう。


抽象度の高い知識状態というのは、一見ランダムに見える事象やパターンを出来るだけ短い記述で正確に表せる(導出できる)知識状態だと思います。
(これはAIの目的関数として数学的にモデル化可能だと思います。)


一見複雑で絡み合ってランダムに見える事象やパターンをそのまま「ランダムな構造」だとかせいぜい「分子が一か所に偏っている構造」だとか物体の運動を「何らかの法則で運動している」と抽象的に記述する事はよろしくありません。
そのような理解と記述では、事象やパターンを導出する際にランダムな事象やパターンが導出され事象やパターンをぼやけた不正確なものとして導出されるでしょう。それは実際は高度な構造のあるデータセットの真の分布を正確に表せない状態と言えるでしょう。

それは熱力学のエントロピーに通ずる話で、ある箱の中に気体分子の集団が分布しているとイメージしましょう。
気体分子の集団が箱の右半分に集まって分布しているように見える時、「気体分子の集団は箱の右半分に分布している」と記述できます。
しかし各気体分子の分布はもっと精密に観測すればそれぞれの座標に位置していることでしょう。
それこそが気体分子の集団の真の分布なのですが、観測者の観測能力が低いため「気体分子の集団は箱の右半分に分布している」というぼやけた確率分布としか認識できません。

エントロピーが高い気体分子の集団の分布の状態とは、気体分子の集団の位置の想定可能な内部パターンの数が多いことだとされます。
「箱の右半分に気体分子の集団が分布している」という情報では各気体分子が箱の右半分のどの座標に位置しているかの想定可能なパターンがかなり多いです。
ゆえに、この情報では気体分子の集団の分布はぼやけていて、位置を正確性高く記述、導出することができません。

ゆえに、このような知識状態では気体分子の集団の分布というパターンを正確に表すことができず、これは知識状態が高度だとは言えません。

物事、事象、パターン、法則というものは短く記述する事だけを求めてもぼやけてしまう可能性があるし、
正確に記述する事だけを求めても、抽象度の低いベタ書きになってしまう可能性があります。

複雑に絡み合った一見ランダムに見える対象にどのような構造があるかを見出し、正確に、シンプルに記述できる構造という道具を持った知識表現を獲得する事が重要で、そのような知識表現が高度な知識を持っているという事であり、高度な知能に繋がります。

宇宙、情報宇宙の物事を正確に、短い記述で表すには抽象度の高い構造(数学的構造等)が良い道具となります。
万有引力という数学的構造は物体の色々な運動(落下運動、公転運動やその他いろいろな運動)が持つ共通の構造であり、正確性高く運動を記述、導出することができます。
色々な物体の運動に共通するということはそれだけ色々な物体の運動を短く記述できるという事です。
ゆえに抽象度の高い構造を見出すことは「一見ランダムに見える事象やパターンを出来るだけ短い記述で正確に表せる(導出できる)」ことにおいて有効です。

万有引力を含むニュートン力学は数学の数式で表されており、数や対称性や微積分など抽象度の高い構造の合成で構成されています。
複雑で絡まったランダムに見える宇宙の現象も深遠な法則を持っておりますが、その広い範囲をニュートン力学はその抽象度の高い構造によって正確に導出し、エントロピーが低い、真の分布に近づくことができるのです。

ガリレオの物体の落下運動の数式や、ケプラーの天体の公転運動の数式よりも、ニュートン力学の数式は記述量が大きいかと思いますが、
ニュートン力学ガリレオケプラーの理論よりもカバーできる運動の範囲が広いといえます。
ゆえに記述量の少なさというのは、記述量とカバーできる物事の比で考えるべきだと思います。

 

記述量 / カバーできる物事の量   この式の値が小さいほど良いということです。

 

徐々に知識状態の度合いを定義する上で必要な数学的な性質の姿が見えてきました。

画像のデータセットを例にした考察もしてみましょう。
ここにランダムではない画像のデータセットがあるとします。(モノクロ画像のデータセットとしましょう。)

例えば全てのピクセルが白色(値が1)である画像があり、それを解釈(記述)するとしましょう。
一つの方法は「1, 1, 1, 1, 1, ..... 1」というように無圧縮でベタ書きすることです。

別の方法では例えばその画像が10×10の100ピクセルのサイズである場合、
「1×100」と記述することができます。
これはベタ書きするよりも短い記述量で記述できていると言えます。
この画像はランダムではなく構造が存在するから、数の掛け算という抽象的な構造を使ってシンプルに正確に記述できます。
(数という構造と掛け算という関数(構造)を合成する事でデータを導出するという事です。)
ピクセルの集まりに構造があるという事はピクセルの集まりに偏りがあるという事ですから、構造を見出すという事はエントロピーが下がるという事ですね。)

フラクタル模様のような複雑な画像でもフラクタル模様を生成する関数に値を入れることでシンプルに正確に記述できます。
「f(1)」等。 (f()はフラクタル模様を生成する関数。)

モナリザの画像を記述してみることを考えてみましょう。

「女性 + 上半身 + 長い髪 + ほほ笑み」というように記述できます。

(画像生成AIにこのような入力をすると、それらしい画像が出力(導出)されます。
これは物事というのは抽象構造同士の合成によって導出されるという事です。)

モナリザを抽象度の階層構造で表した図。
(この階層構造のさらに一番下に「矛盾」、さらに一番上に「空(くう)」という概念で上下を閉じると分析哲学における知識表現の形式「包摂半順序束」となる。)

しかしながらこの記述はある程度モナリザを表している記述と言えど、この記述からモナリザを正確性高く導出することはできないでしょう。全く頓珍漢な記述をするより正確性はある程度高いですが、ある程度不正確です。
ただし人間の脳も画像や物事を完璧に正確に認識しているわけではありません。重要なのは完璧か否かではなく、正確性が高いことです。

物事を記述によって導出する際の正確性の度合いはエントロピーで表現することができます。

言葉でも数式でも良いですので、AIにそれを入力して物事(ここでは画像)を導出(出力)させることを考えてみましょう。
知識状態のレベルの低い画像生成AIに先程の「女性 + 上半身 + 長い髪 + ほほ笑み」を入力すると
例えば指がおかしな感じの画像が出力されます。(初期の画像生成AIでよくあることでした。)
この画像生成AIを学習させる際に取り込んだ元々の画像データセットには、おかしな感じの指の画像は含まれていなかったはずです。
(余談ですが、ラーメンを食べる髪の長い女性を出力させようとすると麺と髪の毛が融合してしまったりしていました。)

これは画像生成AIの中の知識表現が画像データセットの真の分布を捉えられていない事によります。
元々の画像データを画像生成AIが取り込んで内部で構造同士の合成として解釈して、再現する際に正確性の低い再現をしてしまっていることになります。
元々の画像データが正確性が低く再現、出力されるという事とは、出力される画像の確率分布の範囲が広くなってしまっていて、
エントロピーが高くなってしまっているという事です。

ある画像データはAI(ニューラルネットワーク)の内部表現空間内のある座標の点として表されます。

CIFAR-10を学習させたVGG16というCNNの3次元の内部表現空間のデータ分布。
画像認識の正解率は約90%と高性能。
一見分布が広く見えるが、データ分布は空間の頂点や辺に偏って集中している。

 

ですから、点として表される物事が範囲の広い確率分布として表される事は、その物事を正確に導出できない事になります。
導出する時、広い範囲内のどこかの座標の点を導出する事になり、正確な座標の点以外の座標の点を導出する事になってしまいます。
(ですから、指がおかしな画像などが導出されてしまいます。)

対して、画像データを正確性高く導出するという事は、その画像データの点の座標を狭い確率分布で包含できているという事です。
それは画像データをエントロピーが低い状態で表せられていると言う事ができます。

出来るだけ少ない記述で、出来るだけ正確にデータセット(情報源)を記述するという事は、データセットを適切な抽象構造の階層構造を持った知識表現を獲得しているという事です。そうするとデータセットエントロピーを低くする事が可能です。

データセットエントロピーを低くする(低く見る)には、適切な抽象構造を持った知識表現を獲得する必要があり、
そうするには、出来るだけ少ない記述で、出来るだけ正確にデータセットを記述する必要があります。


ゆえに高度な知識を獲得するための目的関数は「データセット内の出来るだけ多くのデータを、出来るだけ少ない記述で、出来るだけ正確に記述する事で、値が最小値あるいは最大値に近づく」ような性質を持った数式です。

 

そのような目的関数を設定してAIを学習させることでAIの内部にデータセットエントロピー低く見ることができる抽象構造が自動的に構築されるのかもしれません。


そのような目的関数は具体的にどんな数式になるのでしょうか?

 

(記述量 / カバーできるデータ量) - 正確度

 

私は大学などの高度な数学教育を受けておらず、上記の式は今思いつきで書いてみた物です。
(記述量 / カバーできるデータ量)の部分で値を小さくし、さらに - 正確度 で値を小さくすることで値を最小に向かわせていくという目的関数という事を考えてみた物です。
恐らくこの数式は考えが浅すぎるかと思います。

もう一つ考えた数式は

 

(データ1のエントロピー + データ1の記述量) + (データ2のエントロピー + データ2の記述量) ... + (データnのエントロピー + データnの記述量)

 

という式であり、「データnのエントロピー」はデータの正確度を表しており、値が小さいほどデータの正確度が高い。
「データnの記述量」は小さいほどデータの抽象度を高く記述する記述法であり、全データのその値を足して、値が小さいほど知識状態が高いという事を考えた目的関数です。

おそらくこの数式も考えが浅いと思いますが、作りたい目的関数の方向性は汲み取って頂けるのではないでしょうか。

好ましい目的関数の数式の形はどんなものでしょうか。

(もっとΣやLogなどを使いそうな気がします。)

 

それはエントロピーの数式なのか、相互情報量なのか、統合情報量なのか、自由エネルギーなのか、別の数式なのか私には分かりません。

概念をグラフ理論のグラフと考えて、沢山のエッジが他の概念と繋がっている概念が抽象度の高い概念と考えて、グラフのネットワークの密度を表す数式が好ましいかもしれませんし、

オートエンコーダーというニューラルネットワークの中間層のユニット数(ニューロンの個数)や層の深さを変動させて、データの圧縮率を上げつつ、出力層の出力データの正確性を損失関数で高めるアルゴリズムが好ましいかもしれません。

私の現状の悩みは『苫米地英人、宇宙を語る』を読んで以来14年間、高度な知識にはエントロピーが低い事、抽象度という概念が重要である事を非常に重視して知識という概念の真の姿の知見をかなりの所まで得られたにもかかわらず、知識の数式がまだ得られていないことです。

ゆえに高度な数学の素養のある方との協力が必要であるとひしひしと感じています。
この記事を書いたのもそのような理由があっての事です。
もしこの記事で説明してきた事にピンと来たという方がいらっしゃいましたら、知識の数式化(目的関数化)にご協力いただけたら幸いです。

ここまでで、知識の発展とは情報の整頓であり情報のエントロピーの減少であり、宇宙のエントロピーの減少の現象の一環である一貫した現象として説明できることを説明してきました。

 

(2024/07/09追記)

物理宇宙や情報宇宙という一見ランダムに見えて複雑な法則、構造があるパターンのデータセットエントロピーを低く見れるような抽象構造群を作っていく事が知識表現の高度化であり、宇宙のエントロピー減少という一貫した現象です。

それは記述量が短いけどもデータセットを記述するには正確度の低い構造「ピクセルの集まり」「物体」のような記述ではなく、データセットの多くのデータに例えば対称性が見出せるならば「対称性」といった構造を作ってその視点でデータを見ることで、正確度が高くも記述量が少ない表現ができます。

そうする事でデータセットエントロピーを低く見ることができます。

記述量の少ない抽象構造群同士を合成して多くのデータを正確度高く導出することは、多くのデータ同士が抽象構造群を介して密な関係を持つことになり、ニューラルネットワークの内部表現空間でデータ同士は近づき合い、分布はエントロピーが低い分布になるでしょう。

宇宙でエントロピーの減少が起きて、新しい構造が生まれる理由は、宇宙に非平衡開放系があり創発現象が起きるからでしょう。

また人間が認識できる世界のデータセットは広がることが可能です。

二重スリット実験によって、小さな粒子は波のようにも振舞うという宇宙の新しい現象を発見し人間が認識できる宇宙現象のデータセットは広がりました。

人間の脳内の数学宇宙も例えば平行線が交わる空間を見つけたりして、数学宇宙のデータセットは広がります。

大きくなるデータセットのデータ量の多さとその記述量の少なさの比が大きくなる事でどんどんとエントロピーを下げていくことができます。

数学宇宙内のデータ群も深遠な整合性があるので、抽象構造を見出すことによってどんどんと関係性を密にでき数学宇宙というデータセットエントロピーは低くできます。

データをベタ書きする事はデータの正確度を高く記述する事ができデータセットエントロピーを低くすることができますが、記述量が多くなり膨大なメモリーが必要になるということ以外に、

データセットを広げることができないという問題もあります。

対して、抽象構造群同士の合成でデータを導出する事は、今までデータセットに無かったデータを導出することができます。

ニュートン力学電磁気学の抽象化である相対性理論ブラックホールの存在を導出できるようにです。

このようにベタ書きでない記述法は、データセット外のデータもカバーでき、結果的にデータセットが広がることができます。

もちろん画像で言えば指がちゃんとしたデータセットのデータを正確に導出できる上で、データセット外のデータも導出できるような、元々のデータセットを正確度の高い導出ができるような抽象構造群を獲得できている事が前提になります。

ブラックホールを導出できるのにニュートン力学の物体の運動はめちゃくちゃになってしまう理論であってはいけないように。)

つまりデータ導出の正確度の高い抽象構造群は、データセット内のデータ以外のデータを予測することができます。

これは高い知能を実現できることになります。

ゆえにデータセットの記述が短くなり、かつ導出の正確度が高くなると値が最小値または最大値に向かう目的関数を持ったAIを学習させることで好ましい抽象構造群を獲得するようなAIが必要という事です。

(追記終わり)

(2024/07/11追記)

データセット内のデータを導出する事だけでなく、データセット外のデータも導出出来て、データセットを広げることも重要だという事ですが、画像生成や数学宇宙において既存のデータセット外のデータを導出する際にそのデータが正しいものであるかどうかが重要になってきます。

物理理論を新しく作った場合、既存の現象(データ)だけでなく新しい現象(データ)を導出した場合、それは実際の宇宙を観測したり実験をして、新しい現象を正しく導出できる物理理論であるかどうかを検証する事ができます。宇宙自体や観測、実験をする人間が教師の役割を果たします。物理理論の存在意義は実際の宇宙の現象にフィットすることです。

では絵画作品を生成する画像生成AIや数学理論が既存のデータセット外のデータを導出した際のデータの正しさというものはどうやって判断すべきかという疑問が生まれます。

物理理論のように物理宇宙を教師とする、ということはできません。

画像生成AIで既存のデータセットに無かった、指のおかしな画像データが導出された際にこれを既存のデータセット外のデータが導出されたからデータセットが広がったと判断する事は直観的におかしい事だと感じます。

新奇性のある絵画作品とはそこに合理的な抽象構造が存在する事だと思います。

写実絵画データセットから抽象的な構造を抽出し、写実絵画の宇宙以外の宇宙からも抽象的な構造を抽出し、それらの合成から画像データを導出する事で、印象派絵画を導出し写実絵画しかなかったデータセットを広げることができます。

この場合の抽出する抽象的な構造群は記述量が少なく導出の正確度が高い物である必要があります。

ピクセルの集まり」のような正確度が低い抽象構造しか画像生成AIが持っていない場合、導出される画像データは高度な構造を持っていない画像データになってしまい、乱雑性の高い、おかしな画像データが導出されてしまいます。

ですからデータセット外のデータを導出する際は、「記述量が少なく導出の正確度が高い」構造群をAIが持っている必要があります。

そしてそのような好ましい構造群を持ったAIは広がったデータセットを「記述量を少なく導出の正確度を高く」できる知識表現を持っていると言えます。

数学理論、数学的構造も同じで、上述のような整合性の高い構造を持っているということで、美しい理論、エレガントであると判断することができます。

物理理論のような実際の観測や実験に依らない、知識表現のレベルの度合いはこのようにして判断することができます。

このような仕組みが人間の脳内で情報のエントロピーが減少していく事だと思います。

(追記終わり)


最後に、知識の数式化ができた場合の、知識を高めるためのAIのアーキテクチャアルゴリズムのアイデアを書きたいと思います。

人間の脳の高度な抽象化能力は再帰言語を操る能力がある事で実現できていると思います。
再帰言語は、文を入れ子構造にできる言語の事です。
例えば「太郎は次郎が花子の事が好きだと言った事を聞いたのは嘘だ。」というような文が入れ子構造になっており再帰言語です。
「花子の事が好きだ」「次郎が言った」「太郎は聞いた」「~は嘘だ」という各文が入れ子構造になっています。

ピダハンという部族は再帰言語を使用しないそうです。
恐らく原始的なヒト族や初期のホモサピエンス再帰言語を使っていなかったのではないでしょうか。
ある時代から我々ホモサピエンス再帰言語を使うようになって再帰的な思考ができるようになって、
知識を効率的に抽象化できるようになったのではないでしょうか。

我々が使う言語は高階関数であるという事は苫米地博士の著書を読んで私は知りました。

関数とは変数を引数にすることができるもので、高階関数とは関数自体も引数にすることができるものです。

我々が使用する自然言語が関数として解釈できる事はモンタギュー文法について調べると分かります。
「私は歩く」という文は主語が「私は」で「歩く」が述語です。
述語が関数で、主語が引数と解釈します。
関数は「f(x)」と表しますからこれを上記の文に適応すると「歩く(私)」という感じに表せます。

高階関数は関数を引数に出来ますから、「歩くは動詞だ」という文が作れます。
「歩くは」が主語で、「動詞だ」が述語ですね。
これをf(x)の形に適用すると「動詞だ(歩く)」となります。

このように我々は物事を高階関数として認識できます。
全ては関数と捉え、関数に関数を入れることができるということは、物事を非常に普遍的で抽象的に扱え、理解できるということです。

チンパンジーは映像記憶能力が人間よりも非常に高いです。しかしながら思考力は人間のほうが非常に優秀です。

人間は想像の世界をいくつも想像でき、脳のワーキングメモリに蓄えられます。
「花子の事が好きだ」「次郎が言った」「太郎は聞いた」「~は嘘だ」といった各想像世界をワーキングメモリに蓄え
高階関数として入れ子に出来、関係を考えたり、アナロジー、論理的推論、因果を考えることができるため、知識を抽象化でき、思考力が高いのだと思います。

CNN(畳み込みニューラルネットワーク)は生物の視覚の仕組みをニューラルネットワークアーキテクチャに取り入れた物です。
トランスフォーマーのアテンション機構は人間や生物の、部分に注目する意識の仕組みをニューラルネットワークアーキテクチャに取り入れた物です。

どちらのアーキテクチャもAIとしてとても優秀な性能を発揮しています。(ChatGPTもトランスフォーマーアーキテクチャで出来ています。)

生物や人間の思考の仕組みを取り入れるとするならば、人間の高階関数で物事を捉える仕組みをニューラルネットワークアーキテクチャに取り入れては良いのではないかと思います。

また別のアイデアになりますが、
ニューラルネットワークは出力層から出力値を出力した際に目的関数(損失関数)を最小化(あるいは最大化)するように出力層から入力層の方向へ誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)を使ってトップダウン式にニューラルネットワークのパラメータを修正していきます。

私の作りたかった知識の数式ができたと仮定してそれを損失関数にして、バックプロパゲーションをする方式もありかも知れませんが、
抽象構造をランダムか何らかの直感的ひらめきでボトムアップ式に創造して、知識の数式という目的関数が小さく(あるいは大きく)なったら良しとする方式も良いかもしれません。
これは遺伝的アルゴリズム強化学習の方式に似ています。

これで現状の考えはほとんど書くことができました。
まだまだスクラップのような断片的な考えはありますが、文章に出来るのは以上のような感じです。

もしこの記事を読んで、苫米地博士の著書などに表されている非常に興味深い考えや、私の考えに興味を持って下されば幸いです。

ここまでお読み下さり誠にありがとうございました。

参考文献
・『苫米地英人、宇宙を語る』著:苫米地英人

・『ドクター苫米地の新・福音書』著:苫米地英人

・『認知科学への招待』著:苫米地英人

・『Dr.苫米地の「脳力」の使い方』著:苫米地英人

・『知るということ』著:渡辺慧

・『情報理論』著:甘利俊一

・『熱とはなんだろう』著:竹内薫

・『情報と秩序』著:セザー・ヒダルゴ 訳:千葉敏生

・『生命とは何か』著:エルヴィン・シュレーディンガー 訳:岡小天, 鎮目恭夫

・沢山の書籍、ウェブ記事、動画

個々人が発行する電子的な商品券・サービス券のトレード、使用、保有プラットフォームの提案。通貨による経済を置き換え、経済の活性化を実現する。

今回提案するプラットフォーム(Webサイト)では、個人個人が電子的な商品券・サービス券を発行し出品し、それらの券を個人個人(ユーザー)同士がトレードしたり使用したり保有したりすることができる。
 商品券・サービス券の例として「ハンドメイドのアクセサリーと交換できる券」「米と交換できる券」「肩たたき券」「ヘアカットのサービス券」等である。「円と交換できる券」も考えられるが法的にどうなのかよく分からない。

このプラットフォームの仕組みと画期性
 現在の経済社会は通貨を使用するものである。通貨は確かに便利な物である。原始の社会の経済は物々交換(正確には券と物との交換)であった。(参考URL→https://fknews-2ch.net/archives/20171029.html

しかしそれは需要と供給のマッチングが難しかったので貴金属(ゴールド等)が価値を代替するようになりマッチングが活性化し経済が活性化した。そして紙幣が発明され貴金属に比べ輸送も簡便になった、そして信用創造により経済はさらに活性化した。
しかし紙幣が使われる社会では不便もある。通貨発行権中央銀行に集約されたし、市民が商売をするには銀行から紙幣(通貨)を借りなければならなくなった。つまり、種類の少ない通貨(日本では実質円一種)に市民は行動を縛られるようになった。社会全体の景気の浮き沈みは中央銀行や、超富裕層、銀行、投資機関などの極一部の集団によって舵を取られることになった。
  起業など商売をする為に通貨を借りるには極一部の集団である彼らの審査を受けなければならないし、景気が沈んでいる時は借りることが難しい。それがポジティブフィードバックされさらに景気は落ち込んでしまう。これは通貨の種類が少ない事、また通貨の流動性がごく一部の集団に託されていることによる。
   通貨を借りる際の審査も数少ない機関からではビジネスの可能性を認めてもらえる可能性が低くなる。
 今回提案するプラットフォームでは経済の仕組みを原始の経済をアップデートして再実装するものである。
  紙幣は便利であったが紙幣は経済の多様性を捨象して解像度が落とされたものといえる。紙幣はけして原始の経済を進化させた優れたものであるわけではない。
  原始の経済の仕組み(個人個人が発行する券と物の交換)の不便だった部分を"現代の情報技術で解消する"事で、現在の通貨(紙幣)による経済を、経済の「本質」に回帰させる。
  
  このプラットフォームの仕組みを説明する。基本的に上記の参考URLのサイトに書かれている、券の使用のされ方と同じである。
   このプラットフォーム上でユーザーは電子的な商品券・サービス券を発行し出品できる。発行できるという事は、既存の券ではなく、ユーザーが自分で券を作ることができ、そのような件がこのプラットフォーム上に出品されるという事である。
    そして誰かの券を持っているユーザーは原始の経済のように券に記されている約束(モノやサービスとの交換等)を行使する事ができるし、別の券とトレードする事も出来る。(券に記された権利をトレードできるという点が既存のフリマアプリやクラウドソーシング、クラウドファンディングには無い点である)
     券をトレードできるという事は供給者と需要者の要求が直接マッチングする必要が無いという事である。自分に必要の無い券を持っていても誰かが自分に必要な券とトレードしてくれるのである。これは2人の間だけのトレードだけではなく、何人ものユーザーを介したわらしべ長者的なトレードも想定し得る。
     様々な券には様々な需要が対応しているので券を色々トレードする事でまるで、通貨のように様々な需要があるもの(つまり通貨)と同一視できる。自分のウォレット内で常に流動する券はさながら定常開放系のようなもので、通貨のような固体(個)のように捉える事ができる。(人体がそれを構成する物質が常に入れ替わっても個人という確固たる個が存在するようなものである)つまり、このプラットフォームのウォレットは通貨の要件である、価値の保存などを満たす。つまり通貨と同一視できる。
   そして通貨よりも優れた点は、個人個人が券を自由に作成し発行できるので、上記のごく一部の集団にビジネス行動を縛られないことであり、多様性が増し経済の解像度、流動性が上がるという事である。(もちろん既存の通貨だってこの世界に同時に存在していても良い。どちらかの経済社会を一つ選ばなければならないという事は無く、この提案にデメリットがあるとすればそのデメリットを必ず取らなければならないという事は無い)
    現在の社会でビジネスをしていくには通貨を借りなければならないが、このプラットフォームがあれば自分から価値を創造でき、通貨を借りる必要が無い。現代の資本主義社会は経済を発展させていくには常に信用創造された通貨を借りなければならない。誰かが通貨を借りるから、その分社会に増えた通貨を自分が稼ぎ自分が借りた通貨を返す、この繰り返しが活発化していかないと経済は回らない(借金の利子は時間経過とともに増えていくからである)。個人的にこのような全員が立ち止まることができず、走り続けなければならない、信用創造で経済を発展させなければならない仕組みは大変だと思う。(ちなみにこのプラットフォームの仕組みでも券の信用創造は可能である。しかもユーザー個人が行う事ができるし、券の銀行のような組織が立ち上がれば組織的にも可能である)
     トマピケティ氏が述べるように超富裕層とそれ以外の層の富の格差は拡大している。この経済社会にうまく適合できない(私のような)人は社会から脱落してしまう。しかしこのプラットフォームなら自分から価値を創造できる。多種多様な人が優れたビジネスを起こせる可能性がある(異能を発揮できる人が沢山現れ得る)。もちろん天才的な人間でなくとも普通に牧歌的にこのプラットフォームなら働き暮らすこともできる。格差が拡大していく現在の資本主義社会ではピケティ氏は超富裕層の増税が必要と述べている。つまり富の再配分が重要だという事である。しかし氏はこれは難しい事だと述べている。また近年ベーシックインカムの必要性も活発に議論されている。しかし超富裕層の増税ベーシックインカムももし実現がとても難しい事ならば、このプラットフォームがこの問題を解決する新たな一案である!(そして何よりこの案は楽しい事だと思いませんか?)
 
近年ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)が生まれ、そしてそれからNFTが生まれた。通貨から具体的な物(デジタルデータ)への流れが発生している。今回提案したプラットフォーム(通貨から券への回帰)はこの流れから鑑みても的外れな提案ではないのではないだろうか。

光ファイバーの暗号復号化器

暗号復号化器試作品

この光ファイバーの束を十字に重ねると、ピクセルが分散して見えるはず…

何も見えない…。失敗だ。

この試作品は3Dプリンタでこのようなパイプの束を作り、透明レジンをパイプの中に流し込んで固めて作りました。

 

成功への考えとして

3Dプリンタで透明レジン自体を束状に成型する、

3Dプリンタで網目状の型枠を作って、本物の光ファイバーを枠に通して作る

という事を考えています。

「roots 京丹後市未来チャレンジ交流センター」に行ってきた

今日「roots 京丹後市未来チャレンジ交流センター」に行ってきた。

地域の人々と地域の高校生がやりたいことを実現して地域を活性化させよう、というような感じの場所らしい。

↓こちらがフェイスブックの公式アカウントになる。

https://www.facebook.com/roots1031/

頻繁に更新され、活動の様子の写真も沢山あって、人見知りの私でもとても入りやすそうだと思えた。

事前のアポは無しで突然お邪魔したが普通に入れてもらえた。

 

OPEN時間は基本的に11:00~20:00

日曜と月曜は休み。

 ※追記:基本13:00~15:00は閉まっている。逆に開いていることもあるし日曜月曜でも開いていることもある。rootsのインスタグラムのストーリーなどで確認できることもある。https://www.instagram.com/roots_kyotango/

 

自分のやりたいことを紙に書いて壁に貼って良いので早速「パソコン教室、サークルを開きたい」と書いて貼らせてもらった。

私が滞在している間、建築関係の方々やスタッフの方々の活発な情報交換、議論が行われていた。私は地域の方々が持ち寄った本を読んで過ごしていた。

 

私はパソコン教室を開くにあたって地域の方や高校生と情報交換がしたかった。

一人の高校生がやってきてダンスの企画を練っていた。

その高校生と話してみると、近くの京都府立峰山高等学校にはプログラミングをやりたいと思っている生徒が幾人かいるということを教えてもらえた。

今日ここへ来て情報の収穫を得られて良かった。

 

最後になったが、ここ「roots 京丹後市未来チャレンジ交流センター」はとても良い所だ。開所されたことに感謝したいと思う。スタッフさん達の頑張りにも感謝したい。

 

ぼくちん

 

 

考案したAI理論のちょっとした補足

エントロピーとは乱雑度合いであるとか、内部パターンの多さであるなどと言われますが 本質は情報のネットワークの密度であることを見出しました。従来のエントロピー情報理論エントロピーはこの概念の特殊な状態として自然に導出されるだろうと考えます。私はエントロピー情報理論エントロピーの概念を拡張した概念を考案しようとしているということになります。そしてそれはほぼ完成しています。この理論が強いAIの作成に役に立ってきます。

AI理論アイデア記事のまとめ

私の考案したAI理論を説明する記事は今のところ二つに分かれています。

以下の二つの記事を上から順にお読みください。

 

一つ目:

AI理論の提案 Ver.2020.03.14 - ぼくちんの極秘アイデア倉庫

 

二つ目:

画像認識AIの設計と論理的思考するAIの設計アイデア - ぼくちんの極秘アイデア倉庫

画像認識AIの設計と論理的思考するAIの設計アイデア

前回の記事公開から約5か月経過して、前回の記事の最後の方の具体的なAI設計を記述しようとした不明瞭な文章部分をいくらか具体的にさせるための思考の進展がありましたので今回この記事にて記述していこうと思います。

 

 初めから汎用的な機能を持つAIを作るのは難しいと考え、MNISTデータを判別するAIのような画像認識AIの仕組みから考えようと思いました。

教師あり学習の精度を超えた!?相互情報量の最大化による教師なし学習手法IICの登場! | AI-SCHOLAR | AI:(人工知能)論文・技術情報メディア

 前回の記事でも紹介したこちらの記事の論文の手法では、画像を関数で変換して別の画像に近づけることで、画像同士はその関数で互いに関係付けるということをしていますが、このアイデアをもう少し発展させたものを考えました。

 そのアイデアというのは、画像変換に使う関数を統合情報量φが高まるように抽象度を上げていく、つまり抽象度の高い関数を自動で構築していって、統合情報量φが高い視点での画像データ同士の関係性を獲得したAIニューラルネットワーク)を作るというものです。初めは、画像変換関数はランダムな変換を行うものを複数生成し、画像同士の関係性の密度つまり統合情報量φが高くなるように徐々に関数を変化させていくという事です。

 

 もう一つ画像認識AIの手法のアイデアがあります。それは先ほど説明した画像を変換する関数にて別の画像との関係性を構築するという手法ではなく、単に、画像を記述するその記述の抽象度をだんだん上げていくというものです。例えばある正方形が映っている画像データの記述法には単に「何番目のピクセルが1で何番目のピクセルが0で」という記述の仕方ができますが、これは抽象度の低い記述法です。「正方形である」とか「四角形である」とかその画像を記述する方法はいろんな抽象度で可能であり、抽象度の高い記述法を得られれば、より多くの画像データがその記述法で関係づけられつまり統合情報量φが高い状態のAIニューラルネットワーク)が構築できるというアイデアです。かの有名な畳み込みニューラルネットワークCNN)は、線を認識するフィルター、目や鼻、口を認識するフィルター、顔を認識するフィルターのようにフィルターの抽象度を上げていき、認識力の高いニューラルネットワークを作るというものです。私のアイデアは、フィルターによらない方法で抽象度を上げていく方式であると言えます。これは画像認識能力ではCNNにかなわないかもしれませんが、より一般的(汎用性の高い)方式であると考えます。具体的にどのような方法で画像の記述の抽象度を上げていくのかですが、積層オートエンコーダを作る方式を参考にした方式をまず考えました。積層オートエンコーダは、中間層のユニット数をだんだんと少なくしていきますが、私の考えた方法では、統合情報量φが高まるようにパラメータを学習させることによって、中間層のユニット数を増やすこともできるということです、ユニット数が増え、多層化することで、より画像データの関係性のネットワークの密度が高い視点を持ったAIニューラルネットワーク)が作れると考えます。

 

 問題としては統合情報量を高めるアルゴリズムをまだ考案できていないという事です。脳は統合情報量を高めるアルゴリズムを持っていると思います。覚醒時に情報を記憶し睡眠時に情報を整理しいらない情報を忘却する、それが統合情報量を高めるアルゴリズムの一つとして可能性があるのではないかと思っていますがどうでしょうか。なんとなくですが脳のニューラルネットワークの必要リソース(細胞数、エネルギー量など)と情報源の表現力の効率性を最大化するような感じのアルゴリズムではないかと思います。

ニューラルネットワークにはバックプロパゲーションなど実際のニューロンにはないアルゴリズムが使われていることもあるので、なんらかの直接的な統合情報量を高める人工的なアルゴリズムを考えることもできると思います。

 

 以上が画像認識AIの仕組みのアイデアです、次に汎用AI、強いAIの仕組みのアイデアを書きます。

 

 人間の知能とは、メンタル統合をしながら、無限に論理を連鎖させ思考を続けられる能力だと思います。心理学の用語でいえば、システム1とシステム2のうちシステム2の思考方法ですね。

 それが可能であるには、物事を捉えるのに、概念同士の合成後の概念もまた再びほかの概念と合成できるものである、つまり例えば四則演算について「有理数」のように閉じた群の様になっている必要があると思います。ゲーデル不完全性定理のように、自然数自体で自然数論を記述するような自己言及的な形式である必要があると思います。人間の使う自然言語は、高階関数の形式になっていることは分かっていることです。高階関数のように関数自体を関数の引数に出来ることが無限の思考の連鎖が可能なのではないかと思います。そのような思考の形式で、頭の中で記述可能な概念同士を関係づけ、統合情報量φを上げていくことで人間は、他の生物よりも統合情報量が高い認知能力を獲得できると考えます。しかしやみくもに思考を連鎖させていっても計算量の爆発によって効果的に統合情報量φは上げることは出来ないでしょう。DQN(deep Q-network)のような、状況を他の似た状況と同一視して、取るべき一手を取るように、ある概念をほかの概念と似たものとして考えて、アナロジー思考をすることで、新しい知識、新しい関係を発見するような強化学習のようなアルゴリズムが必要だと思います。

 そこで肝心な必要物となってくるのが私の考案した統合情報理論(理論の名前はまだ決まっていませんが便宜的にこう言います)です。

 強化学習では報酬が設定されます。通常の生物にとっての報酬は、食べ物を得た時、子孫を残せた時などに受け取られるでしょう。人間もそうでありますが、もう一つ、他の生物にない報酬をもらえる時があると考えます。それが、脳が思考をして脳内の概念同士が結びつき、脳内の統合情報量φが高くなった時です。人間はなぜアートを見て感動するのか、なぜ数学理論を閃いて嬉しくなるのか、食べ物を得た時とは違い、なぜ生命にとって必要不可欠でないことに、脳が脳に報酬を出すのか、これで説明がつきます。思考という行動をして統合情報量φが高くなった時に報酬を得られるように強化学習を設定すれば、人間のような抽象度の高い知性を持つ汎用AI、強いAIが作れると思います。

 

以上のようなアイデア以外にもまだ文章にまとめられない、スクラップのようなメモ書き的アイデアがたくさんありますが、これからは実際にプログラミングをして試行錯誤していこうと思っています。